病原体

ジスロマックは抗菌薬として非常に利用されている薬です。
有効成分のアジスロマイシンが、効き目のある細胞だけを狙い撃ちするために、効果も高く副作用も少ないという特徴があります。

この薬は、細胞が増殖するときに必要なたんぱく質の合成を阻止する作用があり、幅広い抗菌作用があるのが特徴です。
一回の服用でも高い濃度の状態を維持することから、少量でも長期にわたって効き目を発揮します。
そのためのみ忘れる事や途中で中断する心配がありません。

ジスロマックの効果と適応症

ジスロマックは人体に侵入した細菌を殺す抗菌薬として幅広く使われています。
細菌はたんぱく質を合成することにより、体内で増殖をしていきます。
細菌が増殖するときに必要な器官としてリボソームがあります。
リボソームはたんぱく質合成に欠かせない器官です。
ジスロマックは、細菌のRNA分子とたんぱく質から成る複合体であるリボソームのユニットと結合することにより、細菌のたんぱく合成を阻害する作用があり、細菌に対して幅広い抗菌効果をもたらします。

また同時に、ジスロマックは有効成分であるアジスロマイシンを含んでいます。
アジスロマイシンは、殺菌効果のある細胞のみを選択し、細胞を壊死させる効果があります。
そのため、狙った細胞に効果的に作用するだけでなく副作用も最小限に抑えられるというメリットがあります。

また高濃度のまま有効成分を維持するという特徴があるので、1回飲んだだけで長時間にわたって効き目が作用します。
そのためのみ忘れや途中で勝手に飲むのを止めてしまうリスクがなくなることから、医師、患者双方にとってメリットが大きい薬です。

ジスロマックの有効成分であるアジスロマイシンは、比較的胃酸に強く少量でも十分な効果を発揮します。
しかし、一般的に抗菌薬は食事の影響を受けやすいと言われており原則として空腹時に飲むことが推奨されています。

ジスロマックの適応症は一般的な感染症から性病まで幅広いのが特徴です。
たとえば歯周病や副鼻腔炎、咽頭炎、あるいはマイコプラズマ肺炎や急性気管支炎などの呼吸器疾患に適応しています。
また、尿道炎や子宮頚肝炎などの泌尿器科や婦人科の疾患、性病においては、クラミジアの病原体であるクラミジア・トラコマチスなど性器の感染症にも効果を発揮します。

ジスロマックの重篤な副作用アナフィラキシー

ジスロマックは他の抗菌薬に比べて比較的副作用が少ない薬です。
用法や用量をきちんと守って服用していれば、副作用が起こりにくい薬です。
考えられる副作用としては下痢や吐き気、腹痛、食欲不振などがあります。
このような症状があらわれたら、服用をすぐに中止して医師の診察を受ける必要があります。

そのほかにめったにないことですが、重篤な副作用としてアナフィラキシーショックや皮膚粘膜障害が出現することがあります。
ジスロマックは高濃度の作用を長時間維持する薬であるため殺菌効果が高いのが特徴ですが、副作用が出現した際にはそれがかえって逆効果になることがあります。

アナフィラキシーの初期の症状としては息苦しさ、じんましん、喘鳴、口や手足のしびれ、全身のかゆみなどがあげられます。
症状がひどくなると呼吸困難や顔面蒼白、意識の混濁がおこりひどくなると死亡することもあります。
これらの症状が薬を飲み終わってしばらくたってから現れることもあるので、服用後しばらくは観察が必要になります。

車を運転したり、機械を操作したりする仕事についている人や、高いところで作業をする人は、突然意識を失う可能性もあり、リスクが高くなります。
抗菌薬の服用中だけでなく、服用後もしばらくは体に注意が必要です。

ジスロマックで過敏症を起こしたことがある人は、ジスロマックの服用を避けた方が良いです。
特にアレルギー既往歴や薬物過敏症のある人は、事前に医師に伝えておくことが大切です。
そのほかにも副作用として皮膚に水ぶくれができたり、咽頭が痛んだりかゆくなったりする皮膚粘膜障害をおこすこともあります。
服用していて少しでも体調の違和感が出てきたら、すぐに服用を中止して医師に相談して下さい。

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症は、日本国内で最も多くみられる性の感染症です。
特に10代から20代の若い女性に多いのが特徴です。
クラミジアの主要な病原体であるクラミジア・トラコマチスという細菌に感染すると発症します。

クラミジア・トラコマチスは非常に生命力の弱い細菌ですが、粘膜の接触で感染します。
つまり、感染者との性行為だけでなくディープキスなども感染の原因であり、そのほか精液や膣分泌物に触れることで、結膜炎などの症状を引き起こすこともあります。
妊婦が感染者の場合には出産の際に新生児が感染することもあります。

クラミジア感染症にかかると治療後しても後遺症が残る事があります。
不妊の大きな原因となりやすく、特に女性の不妊原因の卵管障害は、クラミジアが主な原因とも言われています。
卵管障害の8割はクラミジアが原因だとする説もあります。

クラミジアに感染すると女性は卵管の癒着が進行し、やがて卵管の変形や卵管障害をおこすようになります。
卵管がうまく卵を取り込めなくなるピックアップ障害もおきることがあります。

男性も尿道炎から精巣上体炎をおこし、陰嚢が腫れたり下腹部や足の付け根が痛んだりすることがあります。
陰嚢が腫れることにより精子の通路が閉塞され、不妊の原因となることがあります。

このような性感染症の治療薬としてもっともよく処方される薬が、ジスロマックです。
できるだけ早く治療を行えば比較的簡単に治癒します。
きちんと処方された薬を服用すれば、再発のリスクもかなり減ります。
放置したままでいるとHIVなど他の性器感染症にかかるリスクも高くなります。
パートナーとの円滑な関係を維持するためにも、クラミジア感染症のきちんとした治療が必要です。

初期症状が無い場合は感染に気付きにくい

クラミジア感染症の初期には症状がでないことがあり、感染に気付きにくいのが特徴です。
とくに性感染症においては、女性の75%、男性の50%が初期には全く症状が出ないと言われています。
そのため、気付いたときには症状がかなり進行しているケースもあるのです。

男性の性感染の場合一般的には尿道炎から始まる事が多く、排尿時に痛みやかゆみを起きることや白っぽい膿が出ることもあります。
やがてクラミジア菌が精巣や前立腺に侵入すると、睾丸が腫れて痛み、熱がでるようになります。

女性の場合はじめは子宮頚管から感染し、やがて子宮内膜や卵管にまで感染が拡大しひどくなると骨盤腹膜にも炎症が見られるようになります。
はじめはおりものがふえたり、水のような膿がふえたりしますがやがておりものから異臭が漂うようになります。
おりものもはじめは無色もしくは白かったのがやがて黄色や緑黄色の濃い色に変化していきます。

さらに進行すると不正出血や下腹部痛や生理痛のような痛みが起こるようになります。
また右上腹部痛の激しい痛みや高熱や寒気といった全身の症状も現れるのが特徴です。

性器だけでなく、喉や目からも感染することがありますがこれらは他の病気と間違えやすいので注意が必要です。
たとえば菌がついた手で目を触ると、クラミジア結膜炎になることがあります。
目の充血やまぶたの腫れといった症状は、流行性結膜炎とよく似ている症状です。
しかし、クラミジア結膜炎は放置しておくと症状が悪化し、まぶたの腫れがますますひどくなります。

このように初期の段階では症状が無いことが多く、あっても他の病気と似ているために感染に気が付きにくいのが特徴です。
少しでも違和感があったらパートナーと一緒に診察を受けることが大事です。